アンパンマンの生みの親として知られるやなせたかしは、子どもたちだけでなく、大人の心にも響く深い言葉を、沢山残されています。そしてこの「やなせたかし明日をひらく言葉」では、私たちが日々の生活で、困難に立ち向かうための、励ましとなる言葉が集められています。ここでは、読んで心に残った言葉を見出しとして、感想を添えています。購入される際の、参考にしていただけると幸いです。

「やなせたかし明日をひらく言葉」をおすすめしたい人
- 今つらい状況にいる人
- 人生に絶望している人
- 充実した毎日を過ごしたい人
- 老後やこれからの人生に不安を抱えている人
- アンパンマンが好きな人
- やなせたかしさんが好きで残された言葉を知りたい人
- わかりやすくまとめられたやなせさんの本を買いたいと思っている人

まえがきについて
やなせたかしは過去を振り返り、何のために自分は生きているのかと考えてもわからない。C級漫画家として、わけのわからない人生が終わるのだと思うと情けなかった、と話されています。
この言葉が刺さる人は多いのではないかと思います。子どもの頃、私たちは無邪気に多くの夢を持っています。大人になると自分が望むもの、何にでもなれると思っていました。しかし徐々に能力の差などを感じ、諦めてしまう事もあると思います。
ですがやなせたかしは、60歳をすぎたあたりから、人生の最大のよろこびは何か?ということに気づいたと言われます。やなせたかしが言われる通り、なりたい職業になったから、お金持ちになったから、美人やハンサムだとみんなにチヤホヤされるから、そういうことで真の喜びは得られないのかも知れないですね。
やなせたかしは、人間として生まれてなにが一番嬉しいか、それは「人を喜ばせること」だと言われています。人が喜んでいる顔を見ること、人を幸せにすること、それこそが自分の幸せにつながるのだと、「明日をひらく言葉」の中で語られています。
「劣等感はまったくくだらない感情です」
子どもの頃から「大人しいが器量が悪い」「弟さんはお母さん似でハンサムで快活だ」と周りの人から何度となく言われ、優等生で運動も得意な弟と比較され、こうした事がコンプレックスになって自信をなくしてしまった。臆病で人見知りの性格になってしまったそうです。
やなせたかしはこの「明日をひらく言葉」の中で「劣等感はまったくくだらない感情です。こんなもの捨てるにこしたことはない」と話されています。
当時、出来のいい弟と比較されるのは、子どもでも相当辛かったのではないかと思います。誰しも、人と比較されて劣っていると言われると、たとえ自分ではそう思っていなくても、いい気持ちはしないですよね、そうした背景から、自信を喪失し、やる気がなくなってしまうこともあると思います。
一般的には、人と比較するのは意味がない事だと言われています。そうすると、劣等感は他人と比較することで生まれる感情なので、確かにくだらない感情です。たとえ人からなんと言われても自分は自分、人は人。人と比べるのではなく、過去の自分と比較して昨日の自分より何かひとつでも成長していればOK👍なのです。
「人生は椅子取りゲーム」
「人生は椅子取りゲーム。満員電車に乗り込み、あきらめて途中下車せずに立ち続けていたら、あるとき目の前の席が空いた。」「アンパンマンの作者は私です」というとびっくりされる。作者はせいぜい50歳ぐらいと思っている人が多いのではないか。 やなせたかしは「明日をひらく言葉」の中でこう話されています。
才能がひしめく漫画界に、あきらめることなく立ち続けていたら、70歳直前にブレイクしたというのだから、本当にシンデレラストーリーのような夢のある話ですよね。やなせさんの話を聞く事で、夢を諦めかけている人、人生につまづいている人、今辛い状況にある人にとっても、きっと希望が持てるのではないかと思います。そうしたやなせたかしの遅咲きの成功は、まさに「継続は力なり」という言葉を表していますね。
「生きていることが理屈なしに大切なのです」
生きている事が、理屈なしに大切なのです。今日まで生きてこられたのなら、少しくらいつらくても明日もまた生きられる。そう思ってとにかく生きてみる。そうやっているうちに、次が拓けてくるのです。
「人生は失意の連続だった。特に30代〜50代ごろまでは、絶望のトンネルの中にいた。しかし、なんとかなるさと辛抱して、とにかく生きていくんだ。人生は捨てたものではない。やがて道は拓けてくる。」と「やなせたかし明日をひらく言葉」の中で言われています。
確かに日々つらいこともありますが、こうやってこの世に生まれて生きている事こそが奇跡だと思うと、本当にありがたく感じますよね。何があっても辛抱して力強く生きていく。とにかく生きると道は拓けてくる。やなせたかしの言葉からは生きる希望が持て、励まされますね。
ぼくらはみんな生きている 生きているから歌うんだ ぼくらはみんな生きている 生きているから悲しいんだ 「てのひらを太陽に」歌詞より
この歌は、自分を励ます気持ちから生まれた歌だそうです。実際に歌っていると生きている喜びがしみじみと感じられる歌ですね。
「運にめぐり会いたいならなんでも引き受けてみるといい」
「運にめぐりあいたいなら、なんでも引き受けてみるといい。自分の専門分野以外のことに広く目を開き、経験した方がいいのです。」やなせたかしは本当にやりたかった漫画以外の仕事も断らずに、出来ない事、わからない事は必死に勉強して引き受けてこられています。
当時、人気絶頂だった宮城まり子からの、仕事を引き受けたことで、ステージの仕事ができるようになったり、ビール会社のCMの仕事を紹介してくれた人が、ラジオ番組も手伝っていて、ラジオの仕事をするようになった。そこからNHKテレビ番組の仕事を手伝うようになり、ラジオやテレビの仕事をするきっかけになったそうです。
難しい仕事や未知の仕事には、好奇心と冒険心をそそられる。新しいことにチャレンジするのはすごいチャンスだと思う。「できない」と断らずに、無理矢理でもやってしまえばいいんだ。専門分野以外の仕事をしているうちに、それが化学変化を起こしていくこともある。新しい人間関係が広がることもある。仕事は、人と人のつながりで来るものだ。いろんなことをやっていく中でめぐり会う人が、新しいチャンスや可能性を連れて来てくれる。
そんなやなせたかしさんだから、多くの人から信頼と協力を得て、遅咲きを果たすことができたのですね。
「チャンスは人が運んできてくれる」という言葉を証明してくれていますね。
「運は自力で動かすものなのです」
やなせたかしは「明日をひらく言葉」の中で「運は天が定めたものではなく、自力で動かすものなのです」と言われています。70年近くも仕事をして「人生は運が70%以上だ」と思う。運をつかむには、自分のやりたいことをずっと継続して、やめないことだと。アンパンマンは長い年月から生まれて「運」だったと言われています。
絶望の隣には希望がそっと座っている
かけがえのない人生のパートナーであるのぶさんを失ったあと、やなせさんは夜も眠れず絶望に塗りつぶされた日々だったと言われています。
ですが猛烈に仕事をしているうちに、自分にくっついていた死の影のようなものが薄らいでいった。「ちゃんと生きていかなければ、向こうに行った時にカミさんに合わせる顔がないと考えるようになり、徐々に生きる気力も還ってきたそうです。
人生のパートナーを失うことは人の人生で最大の絶望だと思いますが、何があっても「希望がそっと隣に座っている」という表現が優しく、やなせさんらしくて癒されます。
やなせたかしは、この「やなせたかし明日をひらく言葉」の中で「人生、何があっても、これで終わりではないのだ。」そう語られています。
「やなせたかし明日をひらく言葉」を読んだ感想まとめ
「やなせたかし明日をひらく言葉」の中から、心に残った言葉をいくつか見出しに取り上げてみました。この本は、仕事や日々の生活で私たちが困難に直面した時に、励ましそっと寄り添ってくれる、やなせたかしの言葉がたくさん詰まった本です。つらい時にこそぜひそばに置いておきたいですね。最後まで読んで頂きありがとうございました。
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