やなせたかしおとうとものがたり感想アンパンマン誕生の感動秘話

やなせさんとおとうとのような兄弟の後ろ姿の写真

「やなせたかしおとうとものがたり」は、アンパンマンの生みの親であるやなせたかしが、最愛の弟・やなせちひろさんとの思い出を綴った感動的な詩集です。本書を読むことで、やなせたかしの創作の背景や、彼の人生観に深く触れることができます。戦争によって引き裂かれた兄弟の絆や、弟を失った喪失感、そしてそれを乗り越えて生き抜いたやなせたかしの姿が描かれており、読者に深い感動を与えます。やなせたかしがどのようにして「正義」という概念を築き上げたのか、そのルーツを探る上でも貴重な一冊です。ここでは「やなせたかしおとうとものがたり」の感想とともに、アンパンマン誕生の感動秘話について迫りたいと思います。本書の購入を検討されている方は、ぜひ参考にされてくださいね。

やなせたかしおとうとものがたりの表紙の写真

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目次
  • やなせたかしが好きな人
  • アンパンマンが好きな人
  • 朝ドラ「あんぱん」を観ようと思っている人
  • やなせたかしについてもっと知りたい人
  • つらい境遇で育った人、あるいは現在つらい状況にいる人
  • 弟がいる人
【DIMANI(ディマーニ)】

やなせたかしには、やなせちひろさんという最愛のおとうとがいました。ちひろさんは優秀な青年で、将来を嘱望されていましたが、戦時中に召集され、出征することになります。戦争の混乱の中で、彼は戦死してしまい、やなせたかしがその事実を知ったのは戦後になってからのことでした。

ちひろさんは、やなせたかしにとってただの弟ではなく、心の支えであり、大切な家族でした。この喪失体験が、彼の人生観や創作活動に大きな影響を及ぼしたように思います。

戦争に翻弄された兄弟の絆

やなせたかしのおとうとは、戦時中に特攻隊員として出撃し、帰らぬ人となりました。本書では、兄であるやなせたかしが、その喪失感と向き合いながらも、おとうとの記憶を大切にし続けたことが語られています。やなせたかしは戦争の悲惨さを目の当たりにし、「ほんとうの正義とは何か」の問いを抱えながら、おとうとの存在を胸に生き続けました。

ただの子ども向けキャラクターではないアンパンマンは、「正義とは何か?」を深く問いかける作品でもあります。やなせたかしは、おとうとを失った経験から「本当の正義とは、困っている人を助けること」であるという信念を持つようになり、それがアンパンマンのキャラクターに反映されています。

「アンパンマン」は決して順風満帆ではなかった

やなせたかしは、戦後しばらくは漫画家として成功せず、苦しい生活を送っていました。しかし、それでも彼は創作を続け、自らの信念を作品に込めることを諦めませんでした。

実は、アンパンマンが最初に世に出たとき、当時の批評家や大人たちからは否定的な意見が多かったのです。「弱すぎるヒーロー」「自己犠牲の精神が子ども向けではない」と言われたこともありました。

しかし、やなせたかしは「本当の正義は、自己犠牲と優しさにある」と信じ続けました。そして、子どもたちはアンパンマンの優しさに共感し、やがて作品は大ヒットとなり、国民的キャラクターとなったのです。

アンパンマンの「自己犠牲」と兄弟愛

アンパンマンは、自分の顔をちぎって困っている人に分け与えます。この自己犠牲の精神は、やなせたかしの弟への想いと重なっているように思います。彼は、「戦争で命を落とすことが正義ではなく、誰かを助けることこそが正義だ」と考えるようになり、その考えをアンパンマンの物語に込めました。

また、アンパンマンは決して自分の力を誇示するようなヒーローではなく、弱い人々を助けることを第一に考えます。この姿勢は、おとうとを失いながらも「真の正義とは何か」を模索し続けたやなせたかし自身の価値観と密接に結びついているように思います。

おとうとへの思いを込めた作品たち

やなせたかしは、アンパンマン以外にもさまざまな作品を残されました。その中には、やはり「正義とは何か」を問いかけるものが多く、そこには戦争でおとうとを失った経験が深く影響しているように思います。

また、やなせたかしは生涯にわたって平和を願い続け、「戦争がもたらす悲しみを二度と繰り返してはならない」と強く訴えました。その信念は、彼の作品の根幹をなしており、多くの人々に感動を与え続けています。

喪失を抱えながらも生きる強さ

本書を読むと、やなせたかしの優しさの裏にある深い悲しみを感じます。しかし、それでも前向きに生き、人々に夢と希望を与え続けた姿は、私たちにとって大きな励みになります。戦争によって奪われたものは大きかったものの、彼はおとうとの死を無駄にせず、その想いを作品に昇華させたのでしょう。

兄弟の絆が生んだ不朽の作品である

アンパンマンというキャラクターが生まれた背景には、やなせたかしの人生そのものが刻まれていることを改めて実感しました。本書を読むことで、アンパンマンの世界観がより一層深く理解できるようになります。アンパンマンが子供向けの作品でありながら、大人が読んでも心に響くのは、やなせたかしが実際に経験された痛みや優しさが詰まっているからなのだと思います。

「やなせたかしおとうとものがたり」は、単なる自伝ではなく、家族愛や戦争の悲しみ、そして創作の原点を考えさせられる一冊です。やなせたかしの優しさと、おとうとを想う気持ちが詰まった本書を、ぜひ多くの人に読んでほしいなと思いました。

戦争がもたらした悲劇は、今もなお語り継がれるべき重要な歴史です。そして、その中で生まれた一つの作品が、多くの人々に勇気と希望を与え続けていることを考えると、やなせたかしの人生そのものが、アンパンマンの物語と重なって見えるように感じました。本書を読むことで、改めてやなせたかしのメッセージを受け取り、自分自身の生き方を見つめ直す機会にもなると思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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