どこか懐かしく、温かみがある、やなせたかしの、絵と共に描かれた可愛い詩集は、とても癒されます。読む人に温かいメッセージを与えてくれ、子どもから大人まで楽しめます。ここでは、やなせたかしおすすめ詩集を6選!勇気と希望をくれる詩を、感想とともに紹介していきますので、どれを購入しようか迷った時の、参考にしていただけると嬉しいです。

やなせたかしおすすめ詩集「幸福」
この詩画集の初版は2007年で、やなせたかしが88歳の頃ですね。ポストカードになっていて、絵も可愛く癒されます。一枚ずつ使えるので、大切な人に送るのに、おすすめ詩集です。(定価800円+税)
とにかく、一つひとつの絵が可愛くて、お見せ出来ないのが残念です。
さらに、やなせたかしの詩は、言葉だけでなく、絵からも勇気や希望をもらえます。
この詩画集は、16枚の絵葉書になっていますが、その中で印象に残ったものを、ふたつ紹介したいと思います。
よろこびなんかありまして かなしむこともありまして 心にのこるなにもかも 月日がのせて 流れゆく
この詩では、月日の経つ速さ、喜びや悲しみもあったけど、それもすぐに終わってしまう、人生のはかなさが感じられ、少し寂しい詩です。
おいらも私もみなさんも みんな地球の仲間たち おれたちは生きているものどうしだね
ここには、男の子、女の子、犬、ネコ、ウサギ、ネズミが、仲良く並んで歩いている絵が、描かれています。可愛すぎる絵です。やなせたかしの絵は、どうしてこんなに素朴で可愛いのでしょうか。
やなせたかしおすすめ詩集「希望」
この詩画集の初版も「幸福」」と同様に2007年で、16枚のポストカードになっています。励ましたい人や大切な人へ送る手紙におすすめ詩集です。(定価800円+税)
この詩集では、日常の中で感じる小さな幸せ、つらい時に心の支えとなる言葉が、やなせたかしらしいユーモアと温かみのある言葉遣いで表現されています。
全部が心温まる詩なのですが、特に印象に残ったものをふたつ紹介したいと思います。
屑を入れるということで きれいになる ぼくは 屑籠でよかった あなたのかなしみもどうか ここへすててください
この詩には、泣いている男性の隣に、アンパンマンのような優しい顔をした屑籠の絵が描かれています。とても癒されます。
そして、この屑籠はアンパンマンに似ています。自己犠牲の上での正義感と、他者への思いやりが、お腹を空かせている人に、自分の顔を食べさせる、アンパンマンのようです。
この世のさびしさを なぐさめるために いっしょうけんめい 花は咲くのか
私は、花を見ながら散歩することが好きなんですが、毎年みごとに、その季節に合った、四季折々の花が咲くことが、この世の不思議で、よく出来ているなあと感心します。
花を見るといつも「花って人間を癒すために咲くように、神様がしてくれているんだろうなあ、、」と思っていたので、この詩にすごく共感しました。
やなせたかしおすすめ詩集「てのひらを太陽に」
「てのひらを太陽に」は、文庫本タイプの詩集です。文字のみで絵はありません。初版が2024年なので、やなせたかしが亡くなられてから12年後、ということでしょうか。全269ページなので読み応えがあります。。ロマンティックな詩、楽しい詩、少し寂しい詩、やなせたかしの世界をたくさん知ることが出来る、おすすめ詩集です。(定価900円+税)
勇気の歌
熱い砂漠に風が吹き 砂塵にけむる地平線 のまずくわずに1週間 もうさいごかとおもうとき 勇気がぼくにささやいた たおれちゃダメだガンバレと
いなづま光る黒い海 さかまく波はものすごく マストもおれた舟の上 もうさいごかとおもうとき 勇気がぼくにささやいた 嵐がなんだガンバレと
以下省略
もうこの詩はパソコンで打ち込みながら、なんでだかわかりませんが、涙がボロボロ出て来ました。
文字を、ひらがなで書いているところが多いので、親しみやすく、心にすっと入ってきます。
この詩は、やなせたかしの兵役体験でもあるのでしょうか。青年が、野垂れ死そうになりながらも、泣きながら見送ってくれた母を思いながら、必死に死の瀬戸際で、頑張って生きようとしている姿が、目に浮かんできます。
それを、勇気という、自分の分身のような男の子が、優しい笑顔でそばにいて、励ましてくれているイメージです。勝手な想像ですが 笑
今つらい状況にいる人も、この詩は心にグッとくるのではないでしょうか。逆境に立たされた時に、ぜひ読みたい詩です。
感情天気予報
感情前線は 強くはりだしています 涙交じりの風が強く いま心はだんだんさびしくなっています あしたもくもりがちです 朝、目がさめた時 少し偏頭痛がするでしょう 一般に 失恋の季節です センチメンタル乱気流にご注意ください 以下省略
後半を省略しましたが、思わずクスッと笑ってしまう、楽しい詩です。やなせたかしのユーモアが炸裂しています。このように、人の感情って、コロコロ変わるところが天気に似てますね。
やなせたかしおすすめ詩集「あれはだれの歌」
「あれはだれの歌」は、12ページまでが4コマ漫画になっていて、胸に刺さる詩「えらくなっちゃいけない」など、その他9作ほどの詩が収録されています。初版は2005年なので、やなせたかしが86歳頃ですね。
詩の数は少なめですが、名作「チリンのすず」も入っていておすすめ詩集です。
今回私はやなせたかしの4コマ漫画を初めて読みました。
この4コマ漫画では、帽子をかぶった男性が主人公で、色々なことをするのですが、顔は見えずセリフはひとつもないのに、どれも笑えます。
特に、男性が影を見つめていたら、影がむくむくと起き上がってきて、男性と入れ替わる話などは、吹き出してしまいました。
ユーモアの中にも、温かみやメッセージ性を含み、どこか夢があるやなせたかしの漫画は、大人でも惹き込まれずっと読んでいたくなります。
星のいのちにくらべれば ぼくたちみんなちっぽけな ほんのはかないいきものさ お金もちでもえらくない えらいひとでもえらくない みんなだれでもえらくない えらくなっちゃいけない みっともない 以下省略
「やなせたかしは三越にいた頃、部長より高いお弁当を、わざと食べたりしていたそうで、「権威が嫌いで平社員だからと言ってへりくだることはない。人間はみなおなじだ」と「アンパンマンの遺書」で言われていました。さすがですね。若い時から価値観や物の考え方がしっかりされてます。
やなせたかしおすすめ詩集「人間なんておかしいね」
「人間なんておかしいね」の詩は、やなせたかしが全て筆で書かれた文字です。かわいい絵も時々登場してきて、独特の良さがあります。おすすめ詩集です。初版は1996年で、やなせたかしさんが77歳頃になります。
幸福は 幸福なひとにはみえません もしも不幸になったなら そのとき 幸福がみえるはず
この詩はいつも頭の片隅に置いておきたいですね。
この詩を教訓にして、いまあるもの、あたりまえすぎて気づかないような事にも感謝して、幸せだなあと思うようにして、毎日生きて行きたいですね。
この詩については、別の記事でも書いてますが、つい忘れそうになるので、時々目にすることで、思い出すように、また書きました。
また、有名な詩「えらくなっちゃいけない」も、ここでは自筆で書かれているので、さらに味わい深く、おすすめ詩集です。
ふたつめに、励まされる詩をご紹介します。
生きているからには つらいときもある 涙こぼすな それが人生
77年間の人生経験を経て残された、やなせたかしの力強いこの言葉は、実に説得力があります。「涙こぼすな」のところが命令口調なのが特にいいです。この詩を読むと、とても励まされますね。
やなせたかしおすすめ詩集「たそがれ詩集」
「たそがれ詩集」は90歳のやなせたかしが、さらに大活字で書かれています。
人生の終盤に近づいて来たことを、意識されている詩が多く、それを面白おかしく書かれていたり、哀しみを表現されていたりします。
勇気をもらえる詩を、ひとつ紹介して終わりにしたいと思います。
光
せっかく生まれてきたのだもの 絶望するのはもったいない なんとかなるさと辛抱して まぐれ・幸運・喜怒哀楽 とにかく1日生きてみて 明日は明日でまた生きる
やなせたかしおすすめ詩集6選!まとめ
やなせたかしおすすめ詩集6選は、どれも良くて、どれを購入しようか迷ってしまいますよね、そんなときこの記事を参考にしてください。用途に応じて選んで、どれかひとつを、いつも持っておきたいですね。つらい時に励まされたり、勇気をもらえるのでおすすめです。最後まで読んで頂きありがとうございました。
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